「2日間はとりあえず、コンビニで買ってたんだけど…栄養バランスの問題もあるし、今日から練習しようかなって思ってたところなんだ」

「じゃあ、俺も手伝う」

「ありがと」


私はマンションの入り口でカードをかざして中に入った。

ロビーを通ってエレベーターに乗ると、知らないおじさんと一緒になった。


「君達は、近くの不良高の生徒か?」

「そうですよ」

「親御さんが苦労するだろうよ、ロクでもない子供をこんな高いマンションに住まわせるなんて」


この口ぶりは、私が親と住んでないことを知っているな…


「知っていますか?この世で一番安心できる投資を」

「さぁ?投資はしたことがないから知らないな」

「子供にかけるお金ですよ。お金をかけて大切に育てれば、いつか沢山のお金が返ってくる。だから今かけるお金は惜しまないって母が言っていました」


私の目を見て首を傾けたおじさんに淡々と話す。