「連絡事項は特にない。以上。気をつけて帰れよー」

「「はーい」」


やる気のない生徒と教師に呆れを感じながらホームルームと呼べるか分からないものは終わった。


「城ヶ崎…」


席の少し離れている男子が、なにやら近付いてきた。

身構えてから「何?」と聞くと


「女子が色々してるけど、気にすんなよ?俺は一応、味方だから」


と言ってきた。


「突然どうしたの?私は元から気にしてないけど」

「でも、あの…」

「それに、私の前の席のスキンヘッド以外の男子は、女子からのいじめを笑って見てたのを確認してるから」


怒るでも無く笑うでもなく、ただ素っ気なく返すと男子は「ごめん」と呟いて戻って行った。