「あの…」


行動力あるなー…

私はいじめられていた子、スキンヘッドに名前を聞いたところ芹那(せりな)というらしい。
に呼ばれて席を立ち上がった晴也を見ていた。


「行くよ」

「うん、行ってらっしゃい」


普通に見送ろうとしたら、晴也はため息をついて私に手を差し出した。


「え、別れの握手とか必要?」

「一緒に行くんだよ!立って!」


なんで私まで…と不満に思いながらも手を繋いで芹那のところに行く。


「えっと…」

「俺の許嫁。で?話って何?」


晴也の少し冷たい声で、私が連れて来られた理由が分かった。

多分、芹那は晴也を好きになったから遠回しに、告白するな。って言うのを伝えたかったんだ。


「その、えっと…私…とっても嬉しかったんです。今まで誰も助けてくれなかったのに、あなただけは私を助けてくれて、それも2回も」

「2回?」


晴也が訂正しようとするが、私が首を振って止める。


「こんなに不細工でも…優しくしてくれる人がいる。少しくらい期待してもいいのかな?って、だから私もっと可愛くなれるように頑張ります。いつかは…越えられるように」


そう言って私の顔を見た芹那。

背後から少し笑い声が聞こえたが、芹那は気にせず頭を下げて帰っていった。


「二回じゃないし、期待もするな」


ボソッと呟いた晴也の頭を叩く。


「酷いこと言わないの」

「期待させるのも酷じゃない?」

「だから、やんわり断るって分かる?」

「それじゃ通用しないって知ってる?」


うっ…と言葉に詰まると、教室に暁が入ってきた。

ホームルームくらいは出ないとね…