これは…私より現状が悪いな。


少しくらい反抗すればいいのに。


「友達も家族も日記だけだもんな?」

「自分が主人公なんだろ?いつか王子様が現れるって信じてるんだろ?でもな、いいことを教えてやるよ」


一人の男子生徒が机に足を掛けると、他の生徒が数歩下がった。


「こんなブサイク守ろうとする王子なんていねーんだよ」


男子生徒は勢いよく机を蹴り、席に座っていた生徒が倒れた。

その生徒の制服は所々切り刻まれ、スカートの下や腕には痣が見えた。


「ざけんなよ」


私は教室に入って、手前の机に乗ると机から机を飛び、机を蹴った男子生徒の顔面を蹴った。

突然のことで抵抗出来なかった男子はその場に倒れ、顔をおさえてうずくまった。

腹部を踏みつけると「うっ…」とうめき声をあげる。


「立てよ」


襟を掴んで立たせようとすると、違う方向から足が飛んできた。

それをかわして一旦男子生徒から離れると、女子は離れた距離にいて、体格のいい男子に囲まれていた。