凄いっていうよりキモい。

え、キモくね?キモいよ?


「口に出てる…」

「あ、聞こえてた?ごめん」


少しショボンとしたスキンヘッドに謝る。

でも、キモいよね。


「その顔見せたら、あの女どもも黙るんじゃねーの?って思ったんだよ」

「それはダメでしょ」


なんで、と言いたげなスキンヘッドに言葉を続ける。


「仮に、顔を見せて黙ったとするでしょ?それじゃあ、あいつらに勝ったのは顔だけってことになるじゃない?だから、性格面っていうか内面で勝って、その後に顔でも勝つっていうのならいいけど…顔だけってのは絶対に嫌」

「目指すは完全勝利って?」

「そういうこと。まぁ…負ける気しないし?」


マスクの下でニコッと笑った私に、スキンヘッドも笑った。


「りょーじー!!」

「やっべ、行かなきゃ」


りょーじと呼ばれたスキンヘッドは、慌ただしく教室を出ていった。

キモいけど、悪いやつではないかな?と思っておこう。