下校する生徒達とは反対に真っ直ぐ前を見据えながら校舎の奥へと進む


見上げた教室には科学準備室と書かれていた


軽くノックをし中に入るとメガネ姿の百瀬がパソコンに向って仕事をしている


私は、そんな事お構い無しに窓辺に座りこの部屋からよく見える校門を見下ろした


「お前、勝手に入ってくるなよ」


百瀬はかけていた眼鏡を外し電気ケトルのスイッチを入れる


「ノックしたよ」


振り返る事なく校門を見つめたまま答える