階段を上り錆びかけた重い扉を開くと
春の香りがする


「転校生が来るのは知ってたけど
姫野だったとはな…」


小さく俯き俺の前を歩く晃の背中が
大きく背伸びした



「でも良かったな」


晃の意外な一言に思わず顔を上げる