次の瞬間


胸の鼓動は自分でも分かるくらい
早くなっていく


百瀬が黒板に書く名前に
車の中で夢見た女の子の笑顔を思い出す


俺の斜め前に座る晃も
黒板に書かれた名前に驚き
咄嗟に俺を振り返った


「はい、挨拶して」


何事もないように
淡々と言う百瀬に目の前の女子生徒は
教室を遠慮がちに見渡した