「ああ、ありがとな。」

少女の名前は、鈴村綾菜(すずむらあやな)。

小学校からの同級生だ。

「ねぇ、葉月くん。」

「ん?」

「今日ね、転校生が来るんだって。」

綾菜は、目を輝かせて言う。

「転校生?」

俺は、眉を上げる。

「うん。」

綾菜は、元気よくうなづいた。

「そんなの、どこで聞いたんだ?」

「うふふ・・・それはね・・・。」

綾菜は、赤渕メガネを取り出すと装着した。

「あ、綾菜・・・?」

「学校一、生徒に詳しい先輩に聞いたのだよ。」