それは、ひかるがお兄ちゃんと同じ気持ちであるというサイン。


お兄ちゃんは嬉しそうにひかるを抱き締めた。


胸が、ギュウっとなって

涙がボロボロ出てきた。


今までごめんね。
ひかる。


これが、あたしがあなたにしてあげれる

最大限の感謝。



やがて、二人は見つめ合い

唇を重ねた。



昨日

あたしの唇と重ねられたひかるの唇…

昨日

あたしに向けられた、愛の言葉…


今は

今からは

それが全部お兄ちゃんのもの。




帰り際、幸せそうな、哀しそうな

複雑な表情をしたひかるに


あたしは満面の笑みで、言った。


「おめでとう」

って。


ひかるは、こくりと頷いたあと

言ってくれた。


「大好きだったよ」

って。