暫らく目を合わせていると
お互いの唇の距離が
少しずつ縮まっていった。
「……ひかる…?」
「…波音……近いね」
「…ふふっ…ほんと……キスできちゃうね?」
「しちゃう?」
悪戯な瞳で言うひかる。
「え……?」
いつのまにか
ひかるの顔が、目の前まできていた。
悪戯っこみたいな瞳は
とても、真剣な瞳になっていた。
「ひか……」
ひかるの柔らかい唇は
優しくあたしの口を塞いだ。
「……ひかる」
あたしは唇を押さえて、俯いた。
あたしの顔、きっと真っ赤になってる。
「何照れてんのさ…波音…。
……可愛い…」
そう言って、ひかるはあたしのオデコにキスをした。
「…ひかる……っ」
……やっと…わかった。
この気持ちの正体。
あたし……
ひかるに恋してるんだ―…。
わかってしまったら
もう止められない。
「あたし……あたしね…
…ひかるがね……好き……なの」
言っちゃった………