薄く開けた視界の片隅で、メスの方のチワワの姿を認識していると――――…


「キャン！キャンキャン！」


「うぉっ…！？」


突如イブに胸に飛びかかられて、湖柚との距離が開いた。


「ワン！！ワンワンワン！！」


「えっ？オイイブ！？うわクリス、お前まで引っついて来るな！！」


真っ赤な顔でスーハー息を整えている湖柚、オレにビッタリくっついて離れないイブ、同じくオレの背中にくっつくクリス、２匹のチワワに絡まれるオレ。


何だよこの超カオスな状況！さっきまでの甘い雰囲気はどこ行った！？


「イ、イブ！やめなさい！離れてっ」