穏やかで優しい口調だったのをサラリとちょっぴり強気系に変える事が出来る村星君には、敵わない気がした。


もう……いいや。


いつまでもグジグジ考えていたって、仕方ない。


私はこの人を信じるって決めたじゃない。


所さんの事で、一時その気持ちを忘れてしまったけど―――――…一度失ったものなら、また取り戻せばいい。


「うん……私も村星君の事が好きです」


覚悟を決めた私は、全身の勇気を振り絞って村星君に自分の想いを返した。


15年間生きてきて、男の子に恋愛感情としての“好き”を伝えるのはもちろん初めて。