夏の風に乗って、村星君の凛とした声が私の耳に流れ入って来る。


「だけど…さ。和果も言ってたけど、人の幸せってその人自身が1番に決めるもんだろ?」


「うん……」


「オレの幸せは、お前と一緒にいる事なんだよ。“友達”としてじゃなくて、“恋人”として」


―――――どうしよう。


村星君が真っ直ぐな言葉を紡ぐ度、何だか泣きそうになって堪らない。


「これからもずっと、オレがお前を守るから――――…オレとつき合ってくれませんか?」


この言葉を聞いた途端、ついに涙がポロポロと頬を伝い落ちて、地面に吸い込まれた。