「会いたかったよ、お兄ちゃん!」

「「!?」」



陽詩さんの発言に、バカップルが驚いている。

まぁ驚くよね。



「こんなアッサリ見つかるなんて・・・!
良かったぁ友達に連絡先と場所聞いておいて!」

「ま、待ってください陽詩さん。
僕が陽詩さんの兄だと言う証拠はありませんよ?」

「和泉って名字が同じなんですから!
兄って決まったものですよ、お兄ちゃん!」

「ひ、陽詩さんっ・・・」




あ、と僕は止まる。

彼女が本当に僕の妹なら、僕の両親を知っている。

なら、聞いてみよう。




「陽詩さん、1つ聞いても?」

「何でも聞いてください!
大体、お兄ちゃんなんですから、敬語使わなくて良いですよ!」

「僕の名前の由来、知っていますか?」

「名前の由来・・・?」

「僕はコオリと書いてヒョウと読みます。
ですが元々の名前は、包むと書いてヒョウでした。
何故僕の両親は、漢字を変えたのでしょうか?
僕はずっと疑問だったんですけど」



僕が問うと、陽詩さんは「うーん」と考え込んだ。



「あたしは母から兄のことしか聞いていないし・・・。
ごめんなさい、詳しいことは分からないわ」



そうか・・・。

やっと長年の疑問がわかると思ったが。