光魔side



「あれっ?!」




カイキに剣を振ったつもりが、斬った感じがしない。











俺はそっと前を見た。























「?!」














嘘・・・だろ?








そこにいる悪魔は俺の剣を、血一滴たらさず、片手で受け止めていた。















「お・・・お前・・・は?」



俺はおそるおそる聞いた。














悪魔はカイキのような無表情で俺を見た。





「俺はマルグ=サトヒリアス。こちらの世界ではマサトと名乗っている。第二の魔王候補だ。」











魔王・・・候補・・・?!





確かに羽も大きいし角もある。








それと一番の特徴は魅力的な声。













あれ?さっきもそんな奴に会ったような・・・?




まぁいい。




「お前は俺の敵なのか?」




俺は聞いた。





マルグは少し微笑むと



「さぁな。でも、お前も、あそこのお前の部下も嫌いだ。」


と言う。






部下・・・クロノスののことだろうか。





「魔王様。ここは一旦退きましょう。今の貴方では奴には勝てません。」





クロノスは言う。










クロノスが言うのならこいつはかなり強いのだろう。









「クロノス・・・こいつは・・・?」







俺はそう聞いたが、









「それは魔界に戻ってくれたら言いますよ」





と言って微笑んだ。














くそ・・・














でもとりあえずここは退こう。













さっきの魔法陣を上手く使えば自分にも・・・















まず自分の部屋に飛べばいいか・・・


















「マジック・サークル」



俺はそう唱えて魔法陣に入った。













・・・








「って、何でお前もいるんだ?!」





クロノスが魔法陣に入ってきた。










「はい?だって俺は貴方の部下ですからね?まぁ、今は俺の方が力が強いですが。」








・・・





「魔法陣が使えるのは魔王候補と魔王、後は上級天使だけですから。俺がワープするにはこうしか無いんです。」





クロノスは当たり前という顔で俺を見る。





「お前カイキを呼び出してたじゃねえか・・・」




「あれは召喚魔法といってですね。別世界からの転送しか出来ないんです」



「ややこしいな・・・」






「貴方は後に魔王になるお方です。それくらい覚えておいて下さい。」








・・・なんか、怒られてる?





「それより魔王様。もうすぐで転送です」




「分かってるよ・・・」











クロノス・・・こいつは敵か?味方か?