「お風呂に入ってからにしてくださいよ」 「それはいかがわしいことしようってこと?」 「殴られたいんですか?」 後ろから抱きしめてくる彼の体温が暖かい。 大きな体に包まれると、不思議と嫌な音が遠のいていくような感覚がある。 「琴里には俺がいるよ」 「知ってます」 「俺には琴里がいる」 「それも、知ってます」 「だから、安心して眠って?」 額にキスを落とされた。 「寝たほうがいいのはあなたの方だと思いますけどね」