あと一週間で夏休み…。
はぁー、暑いなぁ。蝉の声、夏休みまでまだ早いというのに相変わらずうるさい。


紹介が遅れました
私、宮崎 由
高校1年で周りからは不思議ちゃんと呼ばれています。
友達…はいません。

一人が好きなので…はい




今は、授業と授業の間にある休憩時間。
私は今日も変わらず見慣れた窓の景色を眺めている。

「ねぇねぇ、冬泉君。数学でわからないところがあるの〜。教えて?」

私も〜私も〜と次々とクラスメイトの女の子達が冬泉君というモテ男のところへ集まっていく。


「わかったわかった。順番に教えるからそんな一斉に来んなよ」

『はーい!』



冬泉君…か。
イケメンでスポーツ万能、成績優秀、そして俺様系。
今時女子に受けるキャラだよね。


まぁ、私には無縁のお方ですけどね。
なんせこの私は入学してからずっとイジメというのかな?とにかく、人から嫌われているのだから…


何故、嫌われるのか。その理由はとっくの昔から見つけてる。それは、私の元々もっているオーラ(空気 )なのだ。

バカだし、周りの空気に染まらないし、なんと言うか…普通の人とは真逆の位置に立っている者だから嫌われるのは当然のことだ。


次の授業で昼休みだ
お腹すいたなぁ。



「はい、宮崎。この短歌の句切れは何句切れか?さっき先生が教えたからわかるよな?」


は、さっき?さっきは聞いてなかったかも。

わかんないや。テヘペロ(真顔)

「申し訳ありません。先程先生が教えて頂いたところ、あまり聞き取れていなかったようです」


周りのコソコソ話。うん、全部聞こえてる。私、耳はいいの。


「しょうがない。じゃあもう一度教えるから今度はちゃんと聞いとけよ」


うん、聞いとくよ。


御熱心に教えてくれた先生の授業は終わり、お弁当を机に出そうとしたらいきなり背後から教科書で頭を叩かれた。


「宮崎さん、バカじゃないの?もっと勉強すれば?…ップ」


痛い。さっきまで冬泉君に数学教えてって言った人が何を言ってるの。


あの子は学年5位の白石さん。冬泉君の事が好きでいつも冬泉君の近くにいる。
とても腹黒い性格の子。
こういうのを世間ではぶりっ子と呼ばれるのかな。