夜目に慣れてしまったせいか、リビングから漏れる光が眩しく感じる。



「あ、のー…」



できるだけ自分を小さくしながら、声を掛けつつドアを開けた。




「れ…?」



テーブルの上には難しそうな書類が散乱しているが。。


ソファにも、おいしそうな匂いを漂わせているキッチンにも、人影がない。




「どこ、行ったかな…」



ふらふらとソファまで行って、座って待つことにした。




「…うー、だるーい」



背もたれにぐったり寄りかかりながら、目だけでぐるりと部屋を見回した。



中堀さんの家は、一言で表わすならシンプルだ。



ほとんど何も置いてない。細かい物がない。



寝室もばかでかいベットがあるだけで。



今私が居るリビングには、黒い革張りの大人3人はゆったり座れる位のソファと、テレビが対面していて。


その背後にダークブラウンの木目調のテーブル、モダンな黒皮のダイニングチェアが配置されている。


床がダークブラウンだから、合ってる。



くそぉ。


奴は、顔や外見だけでなく、センスもあるのか。



僻み根性が顔を出す。