D組に戻ると、教室は妙に騒がしかった

「なんなんだろう、これ‥」

黒板はきれいに清掃されていて
生徒の瞳は少し明るい気がした。

「あ、あの、何かあるんですか?」

おそるおそるクラスメイトに尋ねてみると茶髪で巻き髪の彼女は

「転校生がくるみたいなの」

と答えてくれた。

転校生‥???
この秋に?
しかも編入は一般試験より
難しくなるのに、転校してくるなんて‥

マリンはそんなクラスメイトと同じような疑問を抱きながら、先生が、入ってくるのを、見届けると席についた。