「もしもし、亨どうしたの?」

一応メールで亨にも今日千尋たちが昇進祝いをしてくれると報告していた。

「美加…今日何時でも構わないから会えないか?」

思い詰めた話し方から良い話ではない事は予想が付く。

でも、もうどんな結論でも構わない。

私も楽になりたい。

そう思い承諾の返事をする事にした。

「いつものBAR…一人で飲んでる…」そう言ったら

「分かった、30分…遅くても40分では行けるから待ってて」それだけ言って直ぐに切れた。

席に戻るとマスターが直ぐにカクテルを出してくれた。

『カシャーサ』というブラジル原産の蒸留酒をベースにした『ココナッツ・ドリーム』というカクテルをマスターがアレンジして、アルコールを控えたオリジナルカクテルを作ったと説明してくれた。

ふわりとクリーミーな食感にフルーティーな味わいの可愛いカクテルは私には似合わない…

でも優しい味が疲れた体に染み入るようだった。

一杯目をゆっくりと味わってお代わりを注文した頃に亨が現れた。