華の高校生活二日目。
俺の席は真ん中の列後ろから二番目という超普通な席だった。

(折角だったら一番窓側の後ろ…よくアニメとかにあるあの席がよかったな…)

別に俺は普通の生活でいいんだ。
某首なしが出てくる非日常とかは求めていないけど…

(もう少し刺激が欲しい…)


先生のちょっとした連絡事項が頭に入ってこないなか、俺が座りたかったアニメ席にはどんな人が座っているのかとちらっと後ろを振り返っ…

(…それっぽい人が座ってる…というか…)

寝ている!!!!!!!!

えっ、そんな寝ちゃう!?
まじでそれっぽい!!!!!
オタクって意味じゃなくて、"まさにその席にふさわしい感じ"の人!!!!
いやもしかしたら体調崩してるだけかもしれないけど!!!!

おっとつい一人で語ってしまった…
やっぱり興奮すると饒舌になるのは治せないな…。


結局先生の話をひとつも聞かないまま、HRは終わってしまった。

すると帰りの身支度を終えた潮崎がとことことこっちにやってきた。

「なー、部活どうする?」

「へあ?」

「…なんつーマヌケヅラ…先生言ってただろ?部活は強制。掛け持ちオッケー。明日から見学始まるから見ておけって。」

「あー…うん、そうだな…」

「どうせ話聞いてなかったんだろ?」

「ぐさり」

「やっぱりな…ちゃんと話聞いとけよなー」

「ごもっともです…」

なんでヤンキーの潮崎がちゃんと聞いてるんだ…

「で、三城。一緒に回らねえ?」

「いいけど…俺文化系だぞ?」

「オレだって文化系だって。運動はしたくない。だるい。」

「はは、だよなあ」

「じゃあとりあえず明日文化部片っ端から見ていこうぜ」

「全然いいよ」

「よっしゃ!んじゃ明日な!オレ用事あるから先に帰るな!」

「りょうかい。じゃあなー」

「おう!」

颯爽と潮崎は帰ってしまった。


なんで部活強制なんだろ…嫌だなあ…
なんて考えながら帰りの支度を始める

教室を最後に出る人は電気を消すという先生のルールを思い出し、教室を見回すと…

「まだ寝てる…」ぼそっ

例の子がまだ寝ていた。