「すまなかった!」
机に手をつき、謝る俺。
「いや…だから大丈夫だってwよくあることだから気にすんなwww」
ヘラヘラ笑いながら、だらんと椅子に座っているのは俺が女と間違えてしまった、潮崎 たくま(しおざき たくま)。
入学式も無事に終わり(少々俺は注目を浴びていたが)、教室でみんなが同じ中学だった仲良しグループで固まっている中…俺は必死に潮崎に頭を下げていた。
「本当に申し訳ない…だから…えっと、そのだな…」
「?どうした?オレを女と間違えたこと秘密にしといてほしいとか?」
「いや、そんなことはどうでもいい。命だけは助けてくれ!!!!俺はまだ死にたくないんだ!!!!」
ぐわっと頭を上げると、潮崎はびっくりして目を丸くしたあと下にうつむき小刻みに震えだした。
「??」
「…プッ…くく…ブフォwwwwwwwwwwwww」
「!?なっ、は!?え!?」
なんか俺変なこと言ったか!?
「ばっかお前オモシロすぎwwwwwwwwなんだよw命だけは助けてくれ!!ってw超笑うわwwww」
「…」
だってこいつ…潮崎たくまは入学式だというのにロンゲで(そのせいで女と間違えた)、ピアスもいくつかあけていた。
つけていたのは3つだけだったが…もう少しあいていた気もする。
それに他の人が話していたのを盗み聞きしたのだが、潮崎はヤンキーや問題児の多い中学出身と聞いた…確実に殺られるだろう…。