がらっ
「あらあら、1年生さんかしら〜?」にこにこ
「「「!?徳川先輩!?」」」
「?どうして私の名前を?」
「だ、騙されませんよっ!?」
「うーん…人違いじゃないかしら〜?」
「うぐぐぐ…!」
「右京君落ち着いて…!似てるけど別人だよ!大和撫子のオーラがそれを物語ってるから!!!!」
「??」
まさかまさかとは思うけど…!!!!
「すみません先輩。ご兄弟の方は在学中ですか?」
「ええ、双子の妹がいるのよ〜徳川都っていうの。」
「やっぱり…」
俺の思ったとおり…双子でした…。
徳川先輩(姉)に事情を説明し、とりあえず部室に入った俺たちはなぜかお茶とお菓子をいただいていた。
「妹がごめんなさいねぇ…」
「あはは、全然大丈夫ですよ。そういえば漫研に見学に行ったら、"美術部はいっちゃダメ"ってすごく言われましたよw」
「あの子はアニメとかが好きなんだけど、私はさっぱりで…でも私模写は得意って言い切れるから、それをちょっと変えてアニメの絵とかたまに描くの。暇つぶしにね?そしたらすごく怒られちゃって…よくわからない子なのよ…」
ううん…都先輩が怒るの、わからんでもないような…
「あ、自己紹介遅れちゃったわね。徳川 日向子(とくがわ ひなこ)です。よろしくね」
「三城章です、よろしくおねがいします」
「潮崎たくまで〜す」
「右京銀河です。俺が美術部入部希望なんです」
「二人は付き添いかしら?仲良しさんねえ」にこっ
て、天使…!!!!!!
「あ、右京も美術部入るの?」
「周防(すおう)!?」
「知り合いかしら〜?」
「幼なじみなんです。周防もか?」
「うん」
日向子先輩の天使さに心奪われつつも、周防と呼ばれた女の子に目を向けた瞬間俺の世界が、心が、ぐるんと一回転した。