「なんかあったの?」


ぼーっと考え事をしていたあたしに唯が聞いてきた。



「唯…聞いてほしいことがあるの」



「なに?」



あたしは疑問に思ったことを唯に、聞いてみることにした。


唯ならきっと答えがわかると思ったから。



「あたし…最近カズくんに話しかけられると…会話が続かないんだ」


ゆっくり、ゆっくり口を動かし唯に話していく。


「でもそれは、他の男子と同じなんだけど…。カズくんにはあたしのせいで会話が続かなくて嫌われるんじゃないかと思ったら急に不安になるの…。なんでなのかな?」


「彩乃…それって…」


「なに?」


あたしは、唯の顔をじっと見る。


「彩乃…それきっと恋だよ!」


「え…?」



唯が言った言葉にびっくりする。


「他の男子とは違って、その人だけには嫌われたくないって思うのは、きっと恋だよ!!」



唯は真剣な顔であたしを見る。


これ恋なのかな…



「あたしは…カズくんが好き…?」


「きっとそうだよ!」



唯は笑顔になっていた。



「これが恋なんだ…」



あたしの初めての恋。
それは、カズくんだということにやっと気づいた。



あたし、カズくんが好きなんだ…



そう思っただけで笑顔になれた。