残りの時間が決まってしまうなら

普通の時間を過ごしていたい

命の期限が少し早まってしまうだけ

であって私は特に何も感じていない


ベッドに腰掛けていると


コトンッ


目の前に綺麗な彩りの
ご飯が置かれた


「食べれる分だけで良いから
しっかり食べてね」


『わかってるよ』


わかってるとは言ったものの

食欲が無い


これもすい臓がんの影響らしい


食後には激しい痛みに襲われて
吐くこともある


このおかげで
少しぽっちゃりしてた私の身体は
痩せていってた



ブーッブーッ


机の上で携帯が鳴る



『はい』


高校に入学した時に
最初に出来た友達の李菜(rina)からの
着信



「渼月!!

学校いつ来るの??」


『んー…気が向いたら行くよ』


行けないと思うけど。


「なんでそんなに休んでんのさ〜?
この前までちゃんと来てたのに〜」


『学校面白くないからさ〜』

李菜と同じ声のトーンで
嘘をつく


学校は好きなんだけどな


まあ時間も限られてる事だし

行きましょうか



「え〜なにそれ〜
今ね〜テスト勉強してるんだけどさ〜
全然わからな…」




『明後日行くよ』


突然の返事に

李菜は戸惑いながらも嬉しそうに


「え?あぁ、うん!!
待ってるからちゃんと来なよ!!」


『おっけい、じゃあまたね』


「ばいばい!」


皆とどれぐらい会ってなかったっけ?


高校に入学してから


半年と少ししか経って居ないけれど


それなりに楽しい人達だと思うし

嫌いじゃない


一ヶ月前に余命宣告されて

私の命がもつのは二ヶ月だ


残り少ないんだから


好きなことは好きなだけさせてもらう