私が自己紹介について悶々と考えていると

「はいはーい、次俺なー!」

と騒がしい声が聞こえた

「南 望夢でーす!

みんな気軽にノゾムって呼んでなー!

中学は…」


なにあれ?
スッゴいウルサイんだけど
あーゆーのムリだ
関わりたくないなぁ

「ねぇねぇ、ルナ!

ノゾムかっこ良くなーい?」

ノゾム?あぁ、あのバカ男か

『そう?
私は一番苦手なタイプだけどな』

「あー、ルナあーゆー人ムリそうだよね~

でも、かっこいいなぁ~
一目惚れかも!」

あれがかっこいいね~、顔だけじゃん
でも、ナルミがかっこいいって言うんなら悪く言っちゃダメだよね

『頑張んなよ』

と一言言っておく


私が再び南に目を向けると丁度自己紹介が終わったらしい
長いし騒がしいし、迷惑

後ろの席の人が立った

「柴 叶斗

中学は…」

次は静かそうな人
キレイな男の子だなーって感心した

「よっ!カナト!」
「ノゾムウルサイ…」

柴くんは囃し立てる南をあしらった

へぇ、正反対そうなのに仲いいんだ…

「あはは!ねぇルナ!
あの二人ってあたしたちみたいだね!」

とナルミが笑いながら言ってくる

『正反対なところがね』

あんなにうるさくはないけど



柴くんの自己紹介が終わって、どんどん続くクラスメイトの言葉を頬杖をついて聞く

次はナルミだ

「井森 鳴海です!

橘中出身だよ!
好きな色はピンク!
よろしくね」

ナルミがニコッと笑うと周囲から、可愛いとか美人とかたくさんの声が聞こえてくる
さ、流石…

っと、次は私だ


『吉山 瑠奈です

ナルミと同じで橘中出身です

好きな色は淡い色ならなんでも

よろしくお願いします』

ペコリと頭を下げて愛想笑いしておく
これで大丈夫なはずだ



「よし、全員紹介したな~

じゃ、プリント配るぞ~」


この自己紹介でわかったことは、南とは関わらないこと
ナルミはこれから更に人気になるけど我慢してナルミについていくこと

その2つだ