「ね、陸お兄さんは彼女いるのかな」
「うぐっ」
パンケーキを頬張ってる中で、自分も一番気になっていることを里乃は言い出した。
喉につっかえそうになり、急いで水を飲む。
「どうかな、私知らないんだよね」
「ええー。絶対いるでしょ」
「何で?」
「いちいち言わないだけじゃない?だって、出来る男って感じだし、いないほうがおかしいよ」
「そう、かな」
確かな根拠よりも上回る、説得力のある里乃の物言いで、途端に顔が青ざめる優月。
里乃の言っていることは一理あるのかもしれない。
陸の交友関係とか優月はほとんど知らないし、話していないことは、きっと沢山あるはずだ。
彼女の存在も。
そして、彼の大事な存在というのも…。