「いいのいいの」


「そうだ、リクエストあればパンケーキに何か絵描くけど、どうする?」


「そんなサービスしてるんだ」


「まあな」


「はい!私、ハートがいいです」


「え、里乃、いいの?」


「なにがー?あの、名前陸さんって言うんですよね。ゆづからいつも話聞いてて…」


それ以上続けようにも、里乃が弾丸トークを陸にしだし、諦めざるえなかった。




後が控えているためパンケーキを受け取ると、話を振りまくる里乃を強引に引っ張り、教室の席へ移動した。



満足そうにこにこしながら、里乃はパンケーキの写メを撮る。

そこには陸が描いたことを思うと、妙に恥ずかしい大きいハートが。



「いいのかねー。彼氏という者がいながら、ハートなんて」


「これは浮気でもないでしょ。それに、あいつこういうこと絶対してくれそうにないし」


「ふーん」