陸の教室へ着くと、すでに長蛇の列ができていた。


家で何度も陸の手作りお菓子は口にしている優月。

クッキーでもマフィンでも、ガトーショコラでも文句のつけようがない味なのだから、列が出来るのも納得。





そわそわしつつ、ついに店番している陸の目の前にきた二人。



「お、ゆづ」


「おう!食べにきましたよー」


「本当に来たんだな」


「何それ!いいじゃんかー」


予想はしていたが、薄い反応の陸に優月は少しへこんだ。

その隣でぐいっと優月を押しのけ、陸に近寄る里乃。


「は、初めまして!私優月と同じ学校の辻井里乃です」


「辻井さん?いつもうちのゆづがお世話になってます」


「いえいえ~。私の方こそゆづには助けられてますからぁ」


「え!里乃そういうキャラじゃないじゃん!」