寂しがるより逆に、違う高校に行くという新鮮さと、なんと、イケメンと会えるかもなんて、よこしまな考えまで持っている里乃。




優月より里乃のほうがやけにテンションまで高い。











高校に着いて受付を済ませると、里乃は優月の腕を引っ張りながら、校舎へまっしぐら。



陸の学校に行くのは、今日が初めての優月は、変な緊張感で里乃みたいな余裕はなかった。




急がなくてもいいよと、突き進む廊下で嘆く優月をよそに、お得意の好奇心に満ちた時に、やたらと輝く瞳はもう完全に収まらない里乃。




「だってさー、前から言ってたでしょゆづのいとこ!口うるさいとか、几帳面の堅物だとかさ。どんな人か超気になってたんだよね~。確かめるチャンスチャンス!」


「たいしたことないってー」



里乃にはいとこと同居していることを話してある。

瞬のことは言っていない。