清々しいとまではいかないところを察した陸は、彼女の本音を聞きたくなっていた。


「…あのさ、小柳。ずっと気になってたんだけど、お前友達に…」


そこまで言いかけた時、陸をじっと見つめる柔和な彼女の瞳が、冷たく鋭利な氷のような瞳にがらりと変わった。

陸は無言の圧力に、言葉が続かなくなっていた。



「何?私の友達に?」


「…なんていうかさ」


何かを試すように追求する小柳に戸惑う陸。

それでも取り消すことはせずに、極力遠まわしな言葉を選ぶ。


「俺が言うのも何だけど、あいつら、小柳の本当の友達に思えない」


相変わらず氷のような冷たい瞳を保ったまま、彼女は少し面食らった顔をする。


「相園君にそんなこと言われると思わなかった。ふふ。友達だよ。普通に」



微笑を湛えながら、はっきり訂正する。