「栞!まじで?大丈夫なのー?」
「無理しなくていいよー」
「じゃあさ、こっちで少し見てる?。うちらトッピングのアレンジ練習してたんだ」
さっきまでの態度が嘘のように、小柳に駆け寄る。
小柳が彼女らの会話を聞いたのかどうか定かじゃないが、保健室に行っていたということは大嘘だ。
それでも具合悪いというのは、実際に青白い顔色からして、あながち上手く騙せたのかもしれないが。
あからさまな会話を聞いてしまったからか、陸はその後の彼女らの動向が気になった。
自分が見る限り、嫌がらせというのはないように思えた。
本人のいないとこで陰口を言う、典型的な嫌がらせ行為。
それはきっと、今に始まったことじゃないだろう。
陸自身も小柳と接するようになってから気づき始めたのだった。