「あー。わかる」
「ちょっとウザイよね」
「ちょっとじゃなくない?」
「そこまで言う?」
「あはははは」
陸はその堂々たる女子の声に嫌悪感を抱いた。
(ふ、それでも友達かよ)
苛ついたのとバカバカしさで、つい鼻で笑ってしまった程。
聞きたくもない会話がどうしたって聞こえてくるボリューム。
かなり耳障りだった。
ふと、彼女達の下品な笑い声がピタリとやむ。
ハッとした陸もドアの方に顔を向けると、そこにはたった今話題にされていた人物。
小柳が元の色白を上回り、むしろ青ざめた顔で立っていた。
彼女らに妙な間があったのは確かだ。
「…ごめん。ちょと具合悪くなっちゃって保健室行ってた」
先に口を開いたのは小柳。