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昼下がり、エプロンをはずしベンチに腰掛ける。
文化祭の準備の慌しさから一旦解放され、陸はそのままベンチに寝転んで空を仰ぎ見た。
(…今日の夕飯は、どうすっかなぁ。…ねみぃ)
ゆっくり雲が流れ、生ぬるい風が顔を撫でるように吹き付けていく。
そして陸は浅い眠りに落ちていった。
「…君、相園君」
やがて、細くもはっきりした声が聞こえ目が覚める。
「やっぱりここにいたんだね。急に起こしてごめんね」
「…お、小柳か。……仮眠してた。呼んでた?」
「うん。相園君からみんな教わりたいみたい。知らなかったな。料理もお菓子作りも得意なんて。すごいね」
「家でしょっちゅうやってるからな」
小柳栞は彼の隣に腰掛け、機嫌よく話しかける。