気が付けば公開終了の放送が流れ、今度は「お疲れ様」の言葉に変わって、みんなで再び拍手した。
そして早速打ち上げをどうするかで盛り上がった。
後夜祭に向かう人や帰る人で、しだいに教室から人が減っていく中、優月は一人で後片付けを進めていた。
初めての文化祭で、クラス一致団結して取り組めたことが、彼女に大きな充実感を与えた。
正直、自分でもあんなに真剣に楽しめると思っていなかったのだ。
学校生活に打ち込むことで、押し込めていた陸の気持ちを紛らわすこともできた。
終わってしまえば、胸を締め付ける鼓動が遠慮なく鳴り出してしまう…。
ついさっき、里乃と後藤がじゃれながら教室を出ていった姿を思い出して、チクンと小さい痛みが鼓動に混じった。