だったら何者だと捻るほど、決して難しい間柄ではない。

説明するのはとても簡単。


彼女は陸のいとこなのだから。




そんな彼女の名は佐野優月(さの ゆづき)。


陸とは違う学校に通う、高校1年生。


彼女はこの春から陸の家に居候している。






お互い兄妹のいない二人は、周りから見ても本当の兄妹と思われるほど仲がよく、いつも一緒にいた。

でもそれも幼い頃まで。




二人は突然離ればなれになり、それぞれがそれぞれに、全く想像すらつかない、穏やかとは言えない道を進むことになり、その後再会し今現在に至る。


そんな訳で、二人にはまだお互い知らない空白の時間がある。


当然その道というのは、こんな簡潔にまとめ切れる話ではないが…。