あんな奴にめちゃくちゃドキドキしている自分が嫌だと思っていた。
ただでさえ、この頃は陸とのことで、気持ちがふわふわして落ち着かないのだから。
―――。.*゜――。.*゜―――
文化祭二日目の日。
この日は最終だけあって、初日の反省点を見直したり、好評なとこを生かしたりと、クラス中が試行錯誤し慌しく動いていた。
優月は効果音を出したり、ダンボールから手をつっこんで驚かすという裏方だったが、自分の担当時間外も、小道具や大道具の補修作業や、衣装のほつれを修繕していた。
張り切っていた裏設定も、お蔵入りすることなく、初日は4組の姫と王子が選ばれたが、今日は午後を回っても、まだ誰も選ばれていない。
一般公開を兼ねている今日は、初日より増えてもいいはずなのだが、思った以上に呪文の紙も、スムーズに見つかってしまうらしい。
その為、急遽隠し場所を変えた。