鼻息を荒くしていると、里乃が優月の肩にマントをかける。


「ねぇ、教えてって何のこと?最近結構長澤と仲良いよね~ゆづ」


いかにも興味津々な、キラリと輝く目で、里乃は優月に後ろから抱きつきながら聞く。


「そんな事ないよ、でも何かやたらとウザさが増してる」


「ほー。それはもしやもしや?好きの裏返しかな?」


「まさか、里乃じゃないんだから」


「あっはははは!だよね。でもそーなったら楽しそうじゃない?私と後藤、ゆづと長澤で出かけたりしてさ」


「う~ん。どうかな。あいつ、彼女って作らないみたいだよ」


「え?何それ。変な奴」


「そう。変な奴だよ」




優月は何気なく死神のフードをすっぽり被り、表情を読み取られないようにした。


長澤にあんなこと言われて、本当はものすごく動揺していたのだ。