もちろん呪文の紙はそんなに難しく隠した訳じゃないが、仮に見つけられなかった場合を考えて作った設定。
どれだけ最高の恐怖を与えられるかにかかっている。
けれど、ファンタジーを忘れてはならない。
行き場を失った人達に向かって、死神が大きい鎌を振り下ろすのだがその直前、呪われた城の王子と姫として逆に歓迎され、証として王冠とティアラ与えられるというオチが待っている。
王子と姫がどのくらい選ばれるのは定かではないが、これはクラス全員で考えた、自慢の極秘裏設定であり、たかが高校生の祭り事といえど、優月のクラスは皆本格的に取り組んでいた。
口外は絶対禁止だ。
この重要な役割である死神は、長澤がやることになっている。
一番の長身である180を超える彼が鎌を振り下ろせば、迫力もあるだろうという理由で選ばれた。
彼自身もすっかり乗り気でいる。