優月の学校の文化祭前日。



この日は朝から学校全体で、準備に明け暮れていた。





優月は手芸部なこともあり、お化け役や案内係の衣装作りを任されていた。




「かわいい~、佐野さんて本当に手先器用だね!」


「これ着られて超嬉しい!」


「だよねー」


「気に入ってくれてよかったよ~。趣味が生かされる時がきた」




クラスの女子が出来上がったばかりの衣装を試着し、ちょっとしたファッションショーが教室の一角で開かれる。

部活の顧問にも相談に乗ってもらいつつ、型紙から作っていった力作の衣装。



彼女達が試着して写メを取り合っているその衣装は、真っ黒のロングワンピースに白いエプロンのメイドの衣装。

白いエプロンには、ところどころに血に見立てた、真っ赤な絵の具が飛び散らされている。