「はぁ~、マジで心配。あいつさ、この間保育園のお昼休み、なかなか寝なかったらしくてさ」
「大丈夫だって。たまたまじゃない?瞬ちゃんすごくしっかりしてるって、周りの子のこともよく面倒見てるって、そう言われたじゃん。保育園でも入園当初から泣いたこと一度もないって。それって本当にすごいよ。うちでだって、ぐずること滅多にないし、いつも笑ってて、天使そのもの。ね」
「……ああ。けど、それが一番気になることでもあるんだけどな」
「え?」
「うん?いや、親ばかですからね。じゃ、また後でな」
そう言って苦笑する彼は、彼女に手をひらっと振る。
「うん。またね」
二人は駅前で別れ、それぞれ違う道を急ぐ。