「懐かしいな。こうやって、ゆづと一緒に食べるのも何年ぶりかな」
「…変わらないよね。この味も」
陸はいつだって優しくて厳しかった。
プリンの蓋だって、ずっとやってあげていた訳じゃない。
優月が一人でできるようになるまで側で見守った。
(変わらないよね、…陸も)
「…今朝はごめんな。頑固親父みてーって、自分でも思った。まじウザイよな」
「私こそ、ごめん。言い過ぎた…」
「ゆづにシカトされんの、すげー堪える。…ゆづのことは、なんつーか大事な存在だから。確かに俺はお兄ちゃんでもお父さんでもないけど、家族には変わりないだろ。ウザイって思われることまた言っちゃうかもしんねーけど。…ま、大目に見ろ」
「…わかった。昔から陸そうだったもんね。怒ると怖くて、よく泣かされた」
「それは、お前が悪いことしたからだろー」