「陸……、ちゃんと話聞きたい。みなみさんと陸と、瞬ちゃんの話」
涙で目を腫れさせながら陸を見つめる彼女は、今までで一番まっすぐで強い意志がそこに表れていた。
そんな眼差しに、彼も同じように真剣な瞳で返す。
ゆっくり頷き、陸は優月の手を握った。
「……全部、話すよ」
深呼吸をして陸は静かに語り出した。
優月が全く知ることのなかった空白の時間が、今長い時を経て、輪郭を持って埋められていく……。
――――――紐解かれる時の始まりは、彼が小学生の頃だった。
「みなみとは、小学校がずっと一緒で、すごい活発な子だったんだけど、6年の時に両親が離婚してから、あまり学校来なくなったんだ。放っておけなくて、うちも両親いなかったから、何か力になれんじゃねぇかなって、それからよく話すようになってた。