陸がめくったアルバムのページに写る一人の女の子。


はち切れんばかりの笑顔がとても印象的で、写真の中で一際華やかでまるで太陽そのもののよう。






しゃくりあげそうになる呼吸を、無理やり鎮めようと優月は耐え、声を押し殺しながらただ涙を流した。


一度頭を抱えるようなしぐさをして、陸はやたら乾いた喉のヒリつきを感じながら、静かすぎる部屋に声を発した。



「……この子は瞬のお母さんなんだ。桐谷みなみって名前」


「…………私と同じ学校だったんだね。部活も、一緒だった。先輩だったんだね」



驚いた。

自分の言葉の後に続くには、まさか予想もしないもので陸はハッと目を見開く。


話をこじらせるつもりは毛頭なく、優月は間髪入れずその訳を堂々と彼に告げる。



「部活の先輩から聞いたの。すごく大事な友達だったって。高校1年で退学して、出産したって……」


その時に見た彼女の写真と、相園家のアルバムの写真で、もしかしたら同じ人物がいるのではないか。