偶然登校も下校も一緒になってしまうこともたまにだけどあった。

けれど、二人きりという状況は今までになかったはずだ。


「そうかもしんないけど…」


「送ってってやるし。駅までだけど」


その発言にギョッと目を見開く優月。


「何だその疑いの目はー、俺こう見えて結構紳士だぜ」


今度は眉間にシワをおもいっきり寄せる。


「どこからどう見ても、イマドキのチャラい高校生にしか見えません。この間だって…」


手の甲にキスされたことを言おうとして、途端に自分が恥ずかしくなり辞めた。


「ふーん。大事なのは中身じゃね?」



グサッと腹黒を指摘されたようで思わず下唇を噛んだ。



「そーいや後藤と辻井って付き合うことなったんだってな」


「うん。そうだけど」