「はっはっ、毎日朝から賑やかでいいじゃないか。なー?瞬」
「あいっ」
「やべ、時間なくなるぞ、ゆづ」
「うん!じゃあ行ってきます!じーちゃんばーちゃん、瞬」
「行ってきます。瞬、いい子でな」
「うあーい」
「行ってらっしゃい。気をつけて」
どんなに急いでいても、必ず家を出る前には、幼子に頬を擦りつけてから、ぽふっと手を頭に置き一撫でする。
そして目尻を思いっきり下げ、とびっきりのふにゃふにゃの笑顔を見せる。
決して朗らかとは言えないクールな彼でも、我が子の前では別だ。
いたって普通の親子だ。
歳が若すぎるというだけで。