詳しいことをもっと聞けば、きっと答えははっきりしただろう。
けれど優月はそうはしなかった。
聞けなかった。
もうそれ以上は。
もう、十分過ぎるほどキーワードは上がってしまった。
空白の時間、瞬の出生の話…。
本当の事は、全部本人の口から聞きたいと、優月は常に思っていた。
一人早く部室を出てきたその帰り道、そのまま家には向かわず、足を進めたのはいつも行くスーパーだった。
言葉にならない、自分でも名前のつけようのない、意味不明の涙が込み上がる中、頼まれてもいないが、もやし、あさり、おじいちゃんおばあちゃんの好きなみたらし団子、瞬のおせんべい、そしてポコタのプリンをカゴに入れていった。
ついでに備蓄用にトイレットペーパーと手洗い石鹸の詰め替えも。
彼女は“いつも通り”にしたかったのだ。
返ってわざとらしいと思われたとしても……。