「いいよ。二人でどうぞ楽しんできてくださいよー。私はぼっちでいますしー」
口を尖らせる優月。
「ゆづ…。何か怒ってる?」
「べっつに。ちょっと、寂しいってのは、あるけど。…応援するよ」
「もーう、ゆづう、このツンデレ姫!大好きだーーーー!」
「ぎゃあ!どさくさに紛れて胸触るなっ!」
寂しいというのは彼女の本音だった。
恋愛には疎いほうであった優月は、高校入学してから一番に親しくなった里乃に、自分と近しいものを感じてきた。
置いていかれていく、そんな気がしたのかもしれない。
それと、里乃といつも一緒にいたのに、彼女の本音を見破れなかったことも、寂しく思ったうちの一つだった。
放課後、久しぶりに手芸部の活動を終え、一人教室に戻ると、まだ長澤の男子軍団が残っていた。