「他にもね、パスケースとかバッグとかあと、ワンピース作ったんだけど、みなみが手伝ってくれてねー、ほんとに助かっちゃったよねー」
「ほとんど手伝ってもらってたんじゃ…」
「あはははっ!まあね~、おかげで色んな作品集まってさ、文化祭で展示販売もしたしね」
「え、そんなことあったんですか」
「あの頃は部員も15人くらいいたしね。小さいフリーマーケットだったよ」
優月は初耳だった。
文化祭では部活によっては、出し物をするとこがあるが、今年優月達の手芸部は各々制作した洋服を、展示発表しただけだった。
「販売も、してたんですね。それって、かなり腕に自信ないと、売れないですよね。すごいなぁ…」
自分でもそれなりに裁縫は得意であると思ってはいるが、値段をつけて売るということにはまだ自信はない。